相続した家を売却する最適なタイミングは?

お役立ちQ&A

相続した家を売却する最適なタイミングはありますか?

家の売却は相続人の人数、その家の状況などさまざまな要因で決まることも多いもの。そこで家を売却するタイミングを検討するうえで欠かせない視点4つをご紹介しますので、ぜひ役立ててください。

相続した家を売却するタイミングはいつがベストか?

このQ&Aにたどり着いたあなたは、「千葉県内で家を相続したけれどどうしよう」「いつが売却のタイミングなの?」というお悩みをお持ちでしょう。

特に、
・そもそも売却した方がいいの?
・相続した家を売るとするなら、どのタイミングがいい?
・売るときに考えておきたいポイントは何?
といったことを考えていらっしゃるでしょう。

こちらではそのような方に向けて「相続した家を売却すること」に関する情報を提供しています。

少子高齢化からくる空き家の問題はよくニュースでも取り上げられますが、千葉県内もご多分にもれず、高齢化は全国平均に近づいていっています。
つまり相続される家が増える、ということなのです。

では「親から受け継いだ家はいつ売ればいいのか」という問題にまつわる事柄を、さまざまな角度から見ていきましょう。

家を売る方向で検討しているなら「早め」が安心

相続した家は、きっと親御さんや親族の方と過ごされた思い出があることでしょう。
「すぐに売らなくちゃ」ということではなく、気持ちの整理がつくのを待つこともとても大事な側面です。
たまには家族・親族で集まってみる、といったことを経ながら、心を落ち着かせていくことも大切な事です。

ただ金銭面や各種手続きを考えると、早めの売却にメリットがあります。

・固定資産税
・家の傷み
・「特定空き家」の問題
・権利者(相続する人)の増減

おもにこれら4つのポイントから、相続した家の売却時期について考えてみましょう。

1.固定資産税を払い続けなければならない

受け継いだ家に誰も住んでいないとしても、相続した人に固定資産税の支払い義務が生じます。
まだまだ人が集まるうちはよいのですが、もうほとんど家族・親族も利用しないという家の固定資産税を支払い続けることに疑問を感じ始めるかもしれません。
固定資産税を重荷と感じる前に、相続した家を手放す決心をするのも、ひとつの考え方です。

2.空き家のままだと家が傷み、価値が減少する

「人の住んでいない家は傷みやすい」といいますが、実際に傷みの激しい家は価値が減少し、売れたとしても安く買いたたかれてしまう可能性があります。
定期的に窓を開けて空気を入れ換えたり、掃除をしたりしないと、さまざまなトラブルが発生します。
特にシロアリやスズメバチなどの害虫、またコウモリやネズミなどの害獣の侵入は大きな問題です。

一旦空き家となると、建物の状態を維持するための管理がとても大変です。
毎週のように通って掃除をしたり、台風など暴風雨の可能性が高まればすぐに駆け付けて備えをしたりと、とても手間がかかります。

また見た目にも住み心地の面でも傷みを実感するようになると価値が減少し、売れても土地代だけで、最悪の場合には解体費を負担しなくてはいけないということにつながります。

3.いわゆる「特定空き家」に指定されると大変

もし家が荒廃していわゆる「特定空き家」に指定されてしまうと、とても厄介です。
特定空き家とは、そのまま放置すると倒壊したり、治安上の問題につながったり、何かと問題を引き起こす可能性をもつ家のことで、自治体が指定します。

例えば千葉県茂原市では、一戸建て住宅のうち11.64%が空き家、千葉県内で12位です。
※トップは勝浦市の33.12%。
「茂原市空家等対策計画(令和2年3月)茂原市」

この空き家のうち、特に危険と自治体に見なされるものが「特定空き家」で、次のようなふたつの問題を引き起こすことがあります。

固定資産税が跳ね上がる可能性

通常、家に人が住んでいる状態(家が建っている状態)では、固定資産税が通常の6分の1となる「小規模住宅用地の特例」が適用されているはずです。
特定空き家に指定されるとこの特例が解かれ、税負担が大幅に増えてしまうことがあります。

誰も住んでいないのですから、当然と言えば当然かもしれません。
ですが、事実上家が建っているのに固定資産税が跳ね上がってしまうのは苦しいことといえるでしょう。

修繕や解体に費用がかかる

特定空き家に指定されるということは、それだけ傷みが激しく、倒壊したり、衛生上の問題が発生したりする可能性が高いということです。
そのため自治体は修繕や解体を命じることがあります。

少なくとも倒壊しないようにする、容易に人が出入りしないようにする、害虫が繁殖しないようにする・・・、そこまでの手当てをするのにどれだけの費用がかかるでしょうか。
むしろ家を解体した方が早いということも往々にしてあるでしょう。

もし自治体の勧告に応じない場合、直接自治体がゴミや家を撤去する「行政代執行」を実施します。
そして、その解体費用を家の持ち主に請求します。
ご実家が特定空き家に指定されてしまうと、それまでお付き合いのあったご近所さんにも知れ渡ることとなり、せっかくのご家族の思い出の場所が悲しい場所となってしまうことでしょう。

4.長期間、家をそのままにしておくと、権利者が増減し手続きが煩雑に

相続した家を長期間そのままにしておくと、相続人(関係者)が増えたり減ったりして手続きが面倒になることがあります。
相続した時点できょうだい3人だったとして、その後きょうだいのうちどなたかが亡くなればそのお子さんが相続人になる・・・、といった具合です。

色々なケースがありますが、いずれにしても時間が経過すればするほど関係者の増減が起こります。
その分、手続きが煩雑になっていきますので、いずれ手放す家ならば早めの売却を検討するとよいでしょう。
そしてお金に変えたうえでどう分配するかを相談するのが、家の相続をトラブルに発展させないコツです。

相続した家を売るなら3年10カ月以内が望ましい

ではメリットの大きい「相続した家を売却するタイミング」はいつなのでしょう。
それは相続が発生してから3年10カ月以内です。
この理由は「取得費加算の特例」。
家を相続してから3年10カ月以内に売却し、なおかつその他の要件を満たしていれば、所得税を計算する際に、支払った相続税額の一部を軽減してもらえます。

この取得費加算の特例は、相続税を払う人が、相続した家を売却したときにのみ使える特例です。

家を売りたいと思ったとき、きっちり3年10カ月以内に売れるかどうか定かではありません。
そのため「家を売る」と決めたなら、早めに売却に向けて動き出すことをお勧めします。
場合によっては、俗にいう「家なき子特例」を受けることができます。
※「家なき子特例」は条件が入り組んでいますので、また後日解説致します。

千葉県内の家を相続した方へ

親御さんやご親族が亡くなるということは、とても悲しいことですし、いろいろな手続きに追われ、大変なことでもあります。
そんな中で「家を相続したけれどどうしよう」という悩みを持たれる方も少なくないでしょう。

今回は、家を相続したときの売却タイミングにまつわる考え方を大きく4つ取り上げました。

・1.固定資産税の支払いが悩みに・・・
・2.空き家のままだと家が傷み、価値が減少
・3.いわゆる「特定空き家」に指定されると、とても大変
・4.長期間、家をそのままにしておくと、権利者が増減し手続きが煩雑に・・・

相続した家をずっと維持すると決めているのならば別ですが「いずれ売却するかも」「手放さざるを得なくなる可能性もある」というときは、できるだけ早く売却を検討してください。
上の4点のような悩みが重くのしかかります。

ただ税金に関しては個々人の状況が異なりますので、一概にお伝えできません。
特に平成30年(2018年)に改正された小規模宅地などの特例のうちの、通称「家なき子特例」は、その恩恵を受けるための条件がとても詳細に定められています。

もしも家の相続に関する税金のことで悩まれたら、ぜひご相談ください。
弊社が提携する税理士がお話を伺います。